【書籍紹介】小説

「世界から猫が消えたなら」の紹介

世界から猫が消えたならの紹介画像

引用:小学館(https://www.shogakukan.co.jp/books/09406086)

世界から猫が消えたなら・・・映画化もされた物語

世界から猫が消えたならという本は、2013年本屋大賞ノミネートの作品で、読み進めていくうちに心へ感動が広がっていく本です。
文庫化もされ買いやすくなっていますし、映画化もされた名作です。
>>世界から猫が消えたなら | 小学館

郵便配達員として地道に働いてきた平凡な30歳の自分、映画が好きな自分は猫とふたり暮らしをしていました。
平穏な暮らしをしてきた自分「僕」に突然、脳腫瘍で余命が告げられます。

この先どうすればいいのか、絶望しながら帰宅するとそこに自分と全く同じ姿恰好の男が待っています。
聞いてみるとその男は悪魔と名乗り、奇妙な取引を持ちかけてくるのです。

「この世界から何か一つ消していく、その代わりに1日だけ命を得る事が出来る」という取引です。
「僕」は生きるために消すことを承諾します。

電話が消え、映画が消え、時計が消え・・・愛猫が消え・・「僕」は自分の命と引き換えに様々なものを消し、なくしていきます。
「僕」「猫」「悪魔」との7日間がつづられる感動作です。

消していくことで自分を見つめ直していく「僕」の不安と葛藤

悪魔は何かを消すことで命を1日長らえさせてくれるといいます。
電話を消すことを決心してから僕は色々な事を思い、電話にはたくさんの思い出が詰まっていることを理解します。

何かを得るには何かを失うという母の言葉、この世界には残酷な事がある、でもそれと同じくらいに美しいものもあるというトムさんの言葉、こうしたことを考えながら、電話を消す前に認めてくれた再度の電話で様々な事を考えます。
唯一オタクともいえるほど映画が好きだった僕に映画を消すということは非常につらいことで、よく考えてみると、映画の中にその時代の自分が反映されていることに気が付きます。
映画がなくなるということは、様々な映画と共に記憶されていることが無くなるということ、それに気がつき葛藤する僕、色々な事に「消す」という選択の中から気が付かされるのです。

余命があるという中で色々な事を思い、消すという行為の中で今まで考えたこともなかったことを考え思い出す、自分にもこういうことがあったなと思う事が物語の中にふと出てくる時があり、この本を読んで胸をギュッと掴まれるような気持ちになる方が多いと思います。
静かに進行していく物語と僕、その家族、そしてこの先はどうなっていくのだろうかという不安、様々な感情が入り乱れて気持ちが揺さぶられるような感覚、この本は本当に様々な事を考えさせ、思い出させてくれます。